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青森のゴーギャンに会いに。。

2014年8月

 

 

 

 

何の前知識もなく手にした本、



玉岡かおるさんの”ひこばえに咲く”


表紙の絵に目が釘付けになり、一気に読み終えた後、
その絵が、この小説の主人公のモデルである、
青森のゴーギャンと呼ばれた常田健さんの絵だと知って、
実際にその絵を見たくなって、青森を訪れる事になりました。

生涯、売るための絵は描かない、
描きたい絵を描く・・
と農民画家を貫いたプロレタリア美術家の常田健。


本の表紙の絵やインターネットでの絵を一度見ただけでも忘れられなくなる
強い主張を持つ彼の絵


青森市浪岡にある美術館はボランティアによって経営されている事もあり
月に何回かしか開館しておらず、今回を逃したらまたいつ行けるか・・と考えての
青森行き決行です。

青森へのくるま旅は
我々夫婦は3回目。
ニコは2回目。
チビワンズ達は初めて。


さてどうなることやら。



 


 

混雑が予想される佐野藤岡インター付近を6時台に通過する予定で、早朝東京を出発。
順調に埼玉に入ったのですが、佐野藤岡インターを前にして、突然、車の動きがストップ。



いきなりの渋滞はイヤな予感・・
事故の予感です。



そして、やはり・・・
5分程のノロノロ運転を経た後、目に飛び込んできたのは、中央分離帯に突っ込んだ車。
単独事故?と思われましたがすぐその前に2台の車。



3台の追突事故?と思いきや、数十メートル先にまた、大きく凹んだ車が3台。



そして、更にその先に、かなりのダメージを受けた車が1台。



合計7台の事故でした。



事故が起こったばかりだったので、5分ほどのノロノロ運転で通過できましたが、
この後、事故処理があったりするし
7時台になれば車の量がどっと増えるのでかなりな渋滞になったんでしょうね・・。



それにしても、7台の車に乗っていた方達皆、外に出ていらしたので、
大したお怪我はなかったようで何よりでしたが、
ほとんどの皆さんが、大きな荷物を沢山積んでの様子。



楽しい行楽がこんな事故で台無しになってしまって何とも・・。



”走る凶器”に乗っている事を再確認して、車を走らせました。


わが家はワンズが一緒の時はだいたい2時間程度で休憩を取ります。
SA巡りもロードトリップのお楽しみ。



まずは佐野SAにて小休憩。
ここのドッグランは大型犬、小型犬エリアに分かれていますが、
本当に小さくて、ニコラや紅丸だと3歩位で端についてしまう感じ(笑)



夏休み中なので、SAのドッグラン使用は諦めていたのですが
(我が家の場合、他にワンズがいない場合のみ、ドッグランを使用しています。)
幸い、大型犬エリアに誰もいなかったので、我が家のワンズを放牧しました。

楽しそうな笑顔だね〜。ニコ。

紅もいい笑顔です。
あいちゃん

あいかわらず、ぷりんはオットに抱っこをせがむ。


 

地面から一番近いところにいるまりんは既にかなり暑そうです。

ドッグランは狭いのですが、佐野は回りに広い芝生エリアがあり、
お散歩にはもってこい。



以前、佐野ラーメンを食べて、なかなかだったので、
今回も食べようかと思ったのですが、朝だったこともあり、自重(笑)



芝生エリアで全頭。

狭いドッグランで爆走したのでニコは既にお疲れ気味。ニコと紅。

佐野を後にして、更に東北道を進みます。
渋滞もなく順調。



広いドッグランのある那須高原SAにてまたまた小休憩。
以前もここでルーシィと走ったよね。ニコ、覚えてる?

ものすごく暑い日でしたが、ここのドッグランは適度に日蔭があり、快適です。
爆走するニコと紅。


日向でまだまだ走る紅を、”馬鹿じゃないのー?”と日蔭で冷たく見守るニコ。
シニアのあいちゃんも日蔭でお休み

那須SA、ここらへんは別荘も多く、観光客も多いせいか、
SAも立派です。

ソラマチでも買えるし、
池袋東武でも買えるんだけどね・・・
お約束です。。。



御用邸チーズケーキ


あいちゃんはガンミして訴えるだけなのに・・・
目を離した隙にニコがペロリ・・・(汗) 全く。。
那須高原SAの他、いくつかのSAに置いてあったワンコ用クッキーを買ってみました。
無添加って謳っているケド、ホントかな?(笑)

熟練の職人が作ったという無添加にんにくと、
これまた東京駅でも売っているけどね。。(笑)
お約束の福島土産、ままどおるも購入。

またまた車に戻って、高速をひた走ります。
お昼頃、菅生SAに到着。
SAおすすめだという三食丼をゲット。



ここはいくつかのお店が入っているフードコート。
フードコートで食べる事も可能なのですが、
あまりに暑くて、ワンズだけを車に残すのは心配だったので
夫に買ってきてもらい、キャンカーで頂きました。



三食丼、お店のおばちゃんが



”今の時期はシラスがしょっぱいからー”



と言っていたそうなのですが、ほんとーーーにしょっぱかった!(涙)
三食丼

夫が頼んだざるそばの方が、冷たくて美味しかったです。

ごはんを食べた後は、次の休憩地、長者原SAを目指します。



なんとなくイメージで東北は関東より若干涼しい・・というのは大外れ。
コンクリートだらけの高速だからということもあるのでしょうが、
途中、外気温を表示する電光掲示板が



”41度”



を示したのを見た時には、死にそうになりました(汗)



今晩、寝られるのでしょうか?(滝汗)
途中、オーバーヒートしている車も何台もみかけました。
この暑さ、本当に異常。



ドッグランのある長者原SAで休憩するつもりだったのが、
SAは当然のことながら、大きく、
また、夏休み中ということもあり
ドッグランから遠い場所にしか駐車場所がなかった為に、ここはスルーすることに。



コンクリートは触ればやけどしそうなほどに暑くなっており、
こんなところをワンズを歩かせられません。



こういう時の為に、ワンズ用の靴を、
一応、キャンカーに乗せてはあるのですが(デカワンズの分のみ。チビは抱えられるので)
めんどくさかったし、混んでいた事もあり、スルーしました。



その後、前沢SAにて休憩。



ちょうど、コンクリートを歩かなくて済む場所に駐車スペースが空いていたので
そこに車を止めました。
こんな感じ。

こういう場所に駐車すると、コンクリートを歩かせずに
ワンズを散歩させられます。



窓を全開!
窓から外を眺めるあいちゃん

前沢SA正面

ここのSAのイチオシの



”特上前沢牛ねぎま串” をお犬様たちの為にゲット!



”特上”ではなく、”普通”の前沢牛串も売っていたのですが、
その場にいたおじさんによると、”普通”の方は美味しくないのだとか。



じゃーん!



お肉、小さいのが、3個!!しかないですよ!
これで一串、なんと!!



1430円!!!



さっき菅生で私が食べた三食丼は1230円!
海鮮丼より高い串!(爆)



味が濃かったので洗ってお犬様に。
ネギとお肉を少しばかりご相伴にあずかりましたが、とろけるお肉でおいしぅございました。



”特上”ねぎま串を前に、飛び切りの笑顔のニコ

ゴキゲンになったので運転もしてくれるそうです。

余りの暑さに心配になったので、
途中の盛岡インターで降りて、スーパーで氷などを購入することに。
以前、訪れた時も来た事のある、インター降りてすぐのイオンへ。



先日、ビブリで、キャンカーの冷蔵庫にあったビールをすべて飲みつくした事を
すっかり忘れていて、ビールも切らしていたので、
ビールも購入。



当たり前だけれど、高速のSAにはビールは売っていないのよね。。
(毎回、それで失敗する(爆))



その後、高速に戻って、岩手山SAにてまたまた小休憩。
夕方になってもまだまだ暑い。
でも、ここは日蔭エリアもあり、緑も多く、散歩がゆっくりできました。



ニコと紅。

チビたちの所に行こうか?
車に戻ろうか?
思案中・・・ニコべに。

そしてまたまたひた走って、津軽SAに到着。
以前、来た時は、大きなSAなのに閑散としていたのですが、
今回は車がチラホラ(とは言え、東名などに比べたら全然少ない)



SAの入口にあった看板を見て、
あ!なるほど・・と。



看板


ちょうどねぶた祭りだったのですね〜(笑)



入口には、また、



”虫大量発生の為、入口閉鎖中”



の看板も。



確かに、誘蛾灯の音がかなりうるさい上に、ワンズのお散歩に少し歩いただけで
夫も私も衣服が虫だらけ!



以前、ブログ記事にも書いた、はっか油、
蚊には抜群に効くので、
はっか油スプレーと、アロマオイルスプレーは持ち歩いているのですが、
はっか油スプレーをかけても
アロマオイルスプレーをかけても、
効果なし!



かなり気持ち悪かったです(涙)



この日はここで仮眠。



キャンカーは、冬場はFFヒーターがあるので(エンジンを切っても動くヒーター)
どんなに寒くても、快適なのですが、
夏場はクーラーがついていないので、暑いとかなり過酷です。
(走っている際に使える普通のエアコンはついています。
エンジンを切った後に使えるクーラーの事です。)



アトランティスくんを購入した当初は、断熱も優れているし、
ベンチレーターもあるから、クーラーはいらない・・と思っていたし、
実際、その頃はクーラーを積んでいるキャンカーは少なかったので
何とも思わなかったのですが、
その後、夏の猛暑がひどくなり、35度越えが普通になった今は
やはりクーラーなしではキツいですね・・



東日本大震災の後、本当にキャンカーの数が増えた事もあり
また、猛暑のこともあって、
省エネタイプの家庭用エアコンを積んだキャンカーも増えてきたので
本当に買い替えを熱烈検討中。



ただ、バッテリーの問題を考えるとやはりバスコンがベスト。
でも、バスコンは長さが6メートル弱・・
運転がね〜・・私の・・(汗)



この日は、さきほどイオンで買った岩手の地ビールを飲みながら
チビチビと。。

ワンズも疲れたようで、お布団の上でぐったり。



まりん

あいちゃん
ニコ

暑かったので、イオンで買った氷を氷枕にして就寝。
でも、さすが東北?



東京とは違って夜中を過ぎるとグンと風が冷たくなって、その後はぐっすり眠れました。



翌朝。
またまたいいお天気です。



”ひこばえに咲く”にも何度も描写されていた、津軽富士とも呼ばれる岩木山。

とその説明看板。
ニコと紅で記念撮影

ここの芝生エリアも広大で、お散歩が快適です。



ニコと紅

鵜飼状態のオット

ねぶた期間中とあって、SAも一時間早くオープン。
盛岡冷麺やらわんこそばやら、ここでもいろいろお土産をゲット。
高速にはドッグランやら、仮眠やらでお世話になっているので、ちゃんとお金を落としますよ(笑)
まあ、高速代払っているので不必要と言えば不必要なんですけどね〜。
でも、東北ガンバレ!の少しばかりの応援も込めて。





朝食を取った後、いよいよ目的地へ。



・・・とその前に、浪岡にあるというお風呂屋さんへ。





日帰り温泉施設、”和の湯”

朝風呂は青森では当たり前とのことで、早朝6時からオープン。
我々は8時頃、到着したのですが、そこそこのお客さんでにぎわっていました。



休日料金で420円。安い!



カランシャワーで使いにくいかな?と思いましたが、結構使いやすかったです。
昔のお風呂屋さんながらの風呂桶もなかなか(笑)



2010年に出来た施設らしいのですが、
お風呂から出て、着替えをする所に
シャンプー等の自前のカゴなどを置く場所にもタオルが敷かれていたりして
小さいながらも清潔で、なかなか良かったです。



気持ちばかりの露天風呂もあり。
暑かったので、外の風が気持ち良かった〜♪



お風呂の間、待っているワンズ。







紅に踏みつけにされるニコ

かと思えば、仲よく並んでねんね

その後、美術館の開館時間まで少し時間があったので、
これまた7時から開いているという、地元のスーパーへ。



スーパーの駐車場で外を眺める紅。

眺めている先の景色。のどかです。

そしていよいよ、常田健美術館へ。



こじんまりした美術館。

中に入ると、常田健が好きだったというバッハの曲が流れています。



そして、まず目に飛び込んで来たのが、やはりインターネットでも見て
記憶に残っていた



”飲む男”



”水引き人”



絵に描かれている人物や景色が”生きている”
それが常田健のすごさなんでしょうね。



鉛筆で描かれた、おそらく反戦をテーマにしたであろう
無数の人々が描かれた1.5メートル四方以上はあるデッサン。



紙の裏には日本の古い新聞が貼られてあり、
”常田健”が生きていた時代を実感することができます。



グッズが売っている小さなスペースの横には
ちょっとした茶菓が置いてあり、セルフサービスでお茶を頂きながら、
以前、NHKで放送された常田さんの番組を見る事ができるようになっていました。



グッズコーナーで、私は常田さんの画集を購入。
画集を入れて下さった封筒にも常田さんのイラストが入っていたり、
シールも!



嬉しくなってしまいました。

画集を買った後、スタッフの方が、
近くにある、常田健がアトリエとして使っていた”土蔵のアトリエ”に案内して下さるとのこと。



りんご畑を歩いていくと・・・
実際に常田健が育てていたリンゴですね・・



”ひこばえに咲く”はフィクションですが、
その中で、周りの農家が、”高く売れる”りんごを作るために、
カタチを揃えようといろいろと手を加える中、
主人公、ケンの家のリンゴは手をかけないので大きさも不揃い。色もまちまち。



でもそのりんごの木、一本一本に名前をつけて、
愛着を持って育てていた・・というそんな節があって、
実際の”常田健”もそうだったんだろうなあと思わせるような雰囲気でした。

土蔵のアトリエ。

 

常田健が亡くなった時のままにしてあるそうです。



土蔵に入るとひんやりした空気。
入口に置いてあった仮面がコワイ(笑)



机の上には手紙や薬などがそのまま置かれてあり、
奥には、好きだったというバッハをはじめとするLP版が。
そして主を待っている絵具だらけの椅子。



周りには沢山の絵。



中央の壁には、もちろん、有名な反戦をテーマにしたプラカードを持ち
怒りを露わにしている大きな民衆の絵がありました。



ロフトにあがって、こういった大きな絵を2階から眺め、
手直しをしたりしていたそうです。



母屋の脇にあったこの土蔵。



”男の隠れ家”として愛用されていたとのこと。
羨ましい限りですね。とスタッフの方。



ボランティアの方がすべて取り仕切っているとのことで、
毎月、展示する絵を入れ替えているから、またいらしてくださいね・・と。



また、ねぶた祭りも、弘前のではなく、青森の方のねぶたは本当に綺麗ですから是非・・



あ、あと、秋には、ここから岩木山も見えて、リンゴの木と相まって
また趣も違って素敵ですよ・・



のんびりとした説明を聞いているうちに、なんだか青森にすごく愛着が湧いてしまいました(笑)

車に戻ると、ワンズ、お待ちかね。ぷりん、伸びてます。

帰り道。



のどかな風景を眺める紅。

本当にのどかです。
ニコの背中にあごをのせてお昼寝まりん。

ちょっと、栄えてきた?と思ったら、目に飛び込んで来た



”ベニーマート”



紅丸は英語表記、メンドイときは ベニーにしているのだ。



とは言え、べにの場合、”BENNY”でNが一個多いのだけどね。(笑)

そして高速へ。



リンゴ畑が延々と続くこの風景ともオサラバです。

高速に乗る前にガソリン給油。



ガソリンスタンドのお兄さんがねぶた祭りのウチワを下さいました。
紅で記念写真。

週末、夏休みということで、渋滞は覚悟していたのですが、
若干、途中、渋滞していたものの、完全にストップすることもなく、
順調に帰宅できました。



あ、そうそう、帰りは上河内SAで名物の
宇都宮餃子と、揚げたたこ焼きも食べましたよ。



これこれ。

 

またまた楽しい旅でした。



さて、玉岡さんの”ひこばえに咲く”



主人公の常田健をモデルにした画家の他に、
日本共産党元委員長の宮本顕治、
その妻で作家でもあった宮本百合子がモデルとなった人物も出てきて、
これは事実なのか?それともフィクション?と思ってしまう位、
鮮やかにそれぞれの心理が描かれています。

それに現代の主人公である50代独身の画廊オーナー、香魚子(あゆこ)と父との確執、
恋人である妻子持ちのオトコへの愛憎劇が重なり



東北の貧しい農民の力強さ、
弾圧にも耐える姿、
戦争中の社会主義者たちの姿を通して



人間の感情の移り変わりが見事に描かれ
本のオビにも書かれていた



”人生、いつでも生き直せる”



ということが実感でき、私はとても面白かったと思ったのですが、
香魚子と恋人の部分は全部いらない!とか(笑)いう人も多数。



読む人の年代、経験によって、なかなか評価が分かれるのかもしれませんね。



それにしても、常田健の絵を、実際に見る事が出来て本当に感激でした。
また、是非、違う季節に行きたいなあ・・



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